肉の塊を焼きたい!

2019/07/28

7月21日は地元のお祭り、水郷祭。
毎年たみでは目の前の道に屋台を出してごはんや飲みものを販売する。
スタッフのみんなで分担して、ごはんものやデザート、お酒やジュースを用意する。

わたしは料理を考えるのがとても苦手で、いつもモチベーションが保てない。
ごはんは人に作ってもらって食べるのが一番美味しいと思ってしまう甘ったれなのです。
さあて、今年はどうしようかな。
今年は考えるきっかけを少し変えてみよう。
食べたいもの、食べてほしいものじゃなくて
今わたしがやってみたいこと、やりたいことから考えてみよう。
 
そう考えたときにでてきたのは「豚の丸焼き」。
昔、友達とやったことがあって、あのお祭り感や、非日常的な場ができあがることがとても面白かったことを思い出した。
たみの前で、豚の丸焼きしたら、そこにどんな風景が生まれるんだろう。
そう思うととてもわくわくしたし、わたしの中の悪戯っ子がうずうずしだした。

しかしながら、丸焼きできる豚を手に入れるのはとても困難だった。
常連のお客さんに聞いてみたり、知り合いのごはん屋さん、肉屋さんに聞いてみたり。
肉の業者に電話して、「あの、豚の丸焼きがしたいんですが、そちらに置いてませんか?」と聞くたびに、後ろでくすくすとほかのスタッフに失笑される。ウケた!と毎回喜ぶわたし。

さて、どうしたもんか。これは代案を考えないといけなくなってきたなあ。
そもそも、わたしはなんで豚の丸焼きがいいんだろうか。
そうか、おっきい肉の塊を焼くというパフォーマンスがわたしはしたいんだ!
「肉の塊を焼いてる」ということによるその場の変化が見たいんだ!

だとしたら、豚の丸焼きじゃなくてもいいんじゃないか?
あ、ケバブはどうだろう。あれだったら、サンドにしたら皆に食べてもらいやすいし。
お、これなら手に入りやすそうだ!
J社長に相談してアドバイスをもらう。
原価の計算をして、150食売れば大丈夫そうだ!
M社長にプレゼン。
OK!よし、発注だ!
このスピード感がまたわたしをわくわくさせる。

次は、どうやって肉を焼くか。
BBQコンロで炭火かな。どうしよう、わたし火起こしできるかな。
ケバブはどうやって支えよう。回す方法も考えなくちゃ。
150食も売れるかな。残ったらどうしよう。
とりあえず、みんなに相談してみよう。
「アウトドア好きの火起こしできる人いるから手伝ってもらおうか!」
「コンクリブロックだったら支えられるんじゃない?」
「肉回す棒できた!あらいの夢叶えるプロジェクト!」
「残ったら、たみのカフェでも他の出店でも出せるよ!」
すごい、どんどん決まっていく!みんなに助けられてどんどん進んでいく。
わたしのわがままがどんどんかたちになっていく。
スリリングな状況がみんなを動かしていく。

当日。
昼過ぎからみんなで準備開始。
ばたばたとたみの中を動き回って、仕込みと備品をかき集める。
「どうしよ!どうしよ!」
「あれどこ行った?!」
祭りの前のこのどたばた感はとても好きだ。
みんなの不安を大丈夫だよ!と笑い飛ばしながらわたしも準備を進めていく。

ケバブを焼き始める。
想像以上にスムーズに進む。もっとハプニング起こると思ってたのに。ちょっと残念。
それでも、ケバブをくるくる回し続けながら焼けた部分を切っていくだけで結構大変。
2人がかり、ケバブにつきっきりでひたすら焼く。
通り過ぎる人たちが注目しているのを感じながらひたすら焼く。
必死すぎて、わたしが作りたかった風景が作れているのかもわからないくらい。

疲れ果てたけど、きっとわたしは祭りの間中、ずっと嬉しそうだったし、にこにこご機嫌だったと思う。
J社長が、「自分がご機嫌になれるような、にこにこでいられることをやったらいいよ。」って言ってくれたことを思い出した。
こんなにいろんな人を巻き込んでスリリングに、自分がご機嫌でいられるようなことをできるって、すごい環境だなと思いつつ、もっとそういう場が増えたらいいなと思う。そういう寛容さがもっと世界に広がればいいのになあ。

わたしはこれからも、スリリングな遊びにみんなを巻き込んでいこうと思います。一緒に遊びましょう!

(あらり)

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