だいすきな風景
2016/05/31
時には、すーごく静かで、カフェに流れる音楽だけが響き渡る日もある。
そのまま誰も来ず、ただひたすらに、カフェにある植物たちと、そのまま時が過ぎるのを感じる時もある。
馴染みの顔ぶれがなぜか不思議と集うときもある。
煙草をすいながら、酒を片手に、子供を抱きながら、思い思いに座り、みんなでしょうもない事を話したり、たまたま紛れ込んだゲストにあれこれ聞いたり。
地元の人がカフェを埋め尽くす事もあった。
いつも来てくれるおっちゃん。たみで久しぶりに会った同級生と同窓会が始まったり、大酒のみの常連さんが、真ん中のテーブルで来る人全員に「まぁ、一杯のめや」と進めて、気付いたら超盛り上がって来たのに、一人寝てたり。
カウンターにも真ん中のテーブルにも、奥の席にも、人がぎっしり入って、笑い声でいつも聞いてる音楽が、違う音楽に聞こえるくらい。
どんな時でも、いつも私はカウンターの中からそれを見るのが好きだった。
人が居ても居なくても。少し背伸びしてカウンターのお客さんと話したり、一番奥の席から呼びかけてくれる人に手をあげて答えたり。
でも最近は、だいすきな風景を違う角度から見る事にしてみた。
いつも私が見ていた方に行ってみた。
そしたら何か、変わらずいい風景だった。
むしろ、そっちから見てたときより、見たい世界が近くにあって、見たい顔が近くにあって、なんか、全然いいじゃない。と思った。
知らない世界には行ってみた方がいい。知らないより、知ってた方がいい。
これからも、色んな角度から、だいすきな風景を眺めてみようと思う。