母の日
2015/05/15
たみの町には「おかあさん」がたくさんいる。たみがいつもなにかしら、迷惑かけたり協力してもらったりしてる人はたくさんいるが、母の日はそういう人ではなくて、おかあさんのように静かに接してくれている人のことを思い出した。
たくさんいるなあ、と思って、一昨年の母の日はたみに招いておもてなしをさせてもらって、去年はなにもできなくて、今年は花束を渡すことにした。ぱっと思いつく顔で、すぐに渡せる場所にいる人は15名ほどだけど、母の日の夕暮れに、花束いっぱい積んで、たみの町を走った。
花束を渡すとき、なんて言えばいいのか、その人の顔を見るとわからなくなってしまうので、こういうとき流暢に話せる人間になりたいと思いつつ、思いつく伝えたい気持ちをがんばって言葉にする。その中でも「いつもありがとう」ってなんか凄みのある言葉で、毎回半泣きになりながら渡した。日本語ってすごい。英語だったら「thank you」なのに。いやもっと他の言い回しがあるのかもしれないけど。
おかあさんは、私が何も言えなくても、笑顔で受け取ってくれて、私に静かに言葉をくれた。みんなそれぞれ違う目線でたみのことを見ていて、彼女らの言葉はどれも的を得た言葉で、私たちの身になる。やっぱりこの町にきてよかったなと思う。
その夜、消防団の会合があってその二次会に、町の男たちがたみに呑みにきてくれた。ある人に花束を渡すつもりが不在だったので若旦那に預けた後だったので、その後どうだったか聞こうと思ったら、「日頃からいっしょに過ごしすぎて、そんなこと面と向かってできなかったから、ぼくらの気持ちも代弁できてよかった。ありがとう。」と話してくれた。
めまぐるしく忙しい、いや忙しい気がしてるだけだけど、時間をとめて、来年もやろうと思う。(じゃたに)